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液晶やプラズマなど薄型テレビの人気が高まっている。店頭には最新機種がずらりと並び、品定めに迷うところ。映像機器に詳しい10人に各社のテレビを実際に視聴してもらい、評価結果をもとにおすすめの10台を選んだ。
対象にした機種のサイズは家電量販店で売れ筋の37インチから42インチまで。家庭のリビングを想定した明るさの会場でスポーツや映画、音楽ライブなどを視聴し、画質を中心にしながら、音質、操作性も加味した総合評価で順位をつけた。
1位は東芝の液晶テレビ「レグザ42H3000」=写真。「全体にバランスが良い映像」(日本大学芸術学部教授の落合賢一さん)「質感の表現に優れている」(AV評論家の村瀬孝矢さん)など画質評価が最も高かった。
音質は「平板な感じ」など辛口の意見が目立ったが、電子番組表の見やすさやリモコンを使った操作は「表示方法がわかりやすい」(AV評論家の潮晴男さん)という声が多く、全体評価を押しあげた。
この機種を含め、東芝のレグザシリーズ最新機種は「人肌の色などの質感にこだわった」(同社テレビ事業部)という独自の高画質映像処理回路を搭載。7位「37C3000」も画質に対する評価は高かった。
2位はパイオニアのプラズマテレビ「ピュアビジョンPDP―A427HX」。プラズマの弱点とされていた外光の反射を抑える新型パネルを採用している。
画像のきめ細かさを表す画素数は他メーカーの上位機種が採用する「フルハイビジョン(フルHD)」モデルの半分以下だが「黒がしっかりと黒く再現されるなどコントラストがいい」(デジタル・メディア評論家の麻倉怜士さん)ことや、スポーツなどの速い動きがぶれずに見えていたことに高い評価が集まった。
3位はソニーの液晶テレビ「ブラビアKDL―40X2500」で、画像のきめ細かさを評価する声が最も多かった。一方で「輪郭がくっきりしすぎている」「他の機種と比べ、色の出し方が独特」といった声があり、このあたりは好みに左右されそうだ。
シャープの液晶テレビ「アクオスLC―42RX1W」は4位。「肌色の表現がよい」(AV評論家の山本浩司さん)「字幕の文字が鮮明」(ビデオジャーナリストの白石草さん)といった声が集まった。ただ、画面を斜めから見た場合に「多少見づらく感じる」という意見も複数あった。
三菱電機の液晶テレビ「リアルLCD―H40MZ70」(5位)には「明るくて発色がよい」「映像が美しく感じる明るさ」といった声が多い。松下電器産業のプラズマテレビ「ビエラTH―42PX70SK」(6位)は「音楽に10分対応できる」という音質や、リモコンの使いやすさなどへの評価が高かった。
視聴テストでは映画ソフトを見るときに会場をある程度暗くして評価した。全体評価に加えて、映画観賞に向いているテレビも選んでもらったところ、パイオニア、松下、東芝の順で上位に並び、全体評価とは一致しなかった。プラズマが強さを発揮した形だ。
今回の評価結果はデザインや消費電力、録画機能の有無、買い求めやすい価格かどうかは加味していない。それぞれの家庭での視聴環境や予算に合わせて、自分の目で納得がいく最適の1台を選ぼう。
40インチ前後の薄型テレビは夏のボーナス商戦の目玉の1つ。今回の「何でもランキング」では、主要国産メーカーの最上位機種フルハイビジョン(フルHD)と普及価格帯機種ハイビジョン(HD)を対象にした。ベスト10に入った機種にはどんな特徴があるのだろうか。
【HDとフルHDの違い】HDとフルHDの違いは画面の画素数。HDは横1366×縦768(プラズマはまちまち)だが、フルHDは1920×1080(液晶、プラズマとも)だ。これはBSデジタルハイビジョン放送と同じ解像度なので、フルHD対応のテレビならハイビジョン放送の映像信号を間引くことなく、そのまま画面表示できる。
ただし、画面が同じサイズならフルHD化により、1画素当たりの面積が小さくなる。そうなると画面の明るさの点で不利なのがプラズマ。液晶が37インチからフルHD化しているのに対し、プラズマは松下電器産業の42インチからなのも、ひとつにはこれがある。
もっとも「40インチ前後ならテレビから2メートル程度離れて視聴すればフルHDでなくても10分観賞できる」というのは松下の広報チームリーダー笠浩さん。見る際に画面までの距離があればフルHD画面の精細さを認識できなくなるからだ。同社は37インチ以上をプラズマ、それより下は液晶というすみ分けである。HDかフルHDかを決める前に、家での画面との距離は確かめておいた方がよさそうだ。
【液晶の倍速駆動技術アップ】「静止画なら解像度イコール画素数だが、動画が基本のテレビの解像度は画素数では決まらない」とはプラズマ陣営の弁。実際、静止画表示用に開発された液晶画面は、動画の輪郭がぼやけるという特性があり、動きに弱いといわれてきた。
そこで2年前に液晶陣営の日本ビクターが生み出したのが、液晶の倍速駆動という技術だ。テレビの映像は1秒間に60コマ送られてくる。それを2倍の120コマに増やして画面に映し出し、動きの滑らかな映像にするというもの。今年になってシャープ、ソニーなども倍速化に乗り出した。ビクターも負けじと、今夏にはさらに進化させた倍速のフルHDモデルを投入。
今回ランキングで紹介した機種ではシャープの「LC−42RX1W」と日立製作所の「L37−XR01」が倍速駆動。いずれもフルHD対応だ。日立は他社とは違う倍速手法をとる。「明るいコマとの間に暗いコマをはさむことで残像を弱め、切れのいい画像を作り上げるのが狙い」(コミュニケーション・法務部担当部長の戸川健一さん)
このほか液晶材料の改良などもあり、液晶テレビでも動画がブレないで見られる動画追随性能は上がってきた。中にはHDプラズマに迫りつつある機種もあるが「フルHDのプラズマとはまだ開きがある」とプラズマ陣営は動画追随性の優位を強調する。
【斜めから見た際の弱点克服】もう1つ、液晶の弱みとされてきたのが、斜めから見ると色が変わりコントラストが悪くなるという視野角の問題。これを克服したのがIPSという方式のパネルだ。「シャープやソニー、三菱などが採用する方式のパネルとは液晶の動き方が違うため、斜めから見てもほとんど色味が変わらない」(茂原アテックスのディスプレイ研究所長、田嶋善造さん)
現在、40インチ前後のクラスでIPSパネルを採用しているのは日立、東芝。もちろんシャープ、ソニーなどもさまざまな工夫をしている。購入にあたっては、店頭で斜めから見たときの色味の変化もチェックしておくといい。
これまでは画質の向上に精力を傾けてきたメーカーだが、音質についても本腰を入れ始めた。「大画面の高画質に見合うものになるのは、まだこれから」とAV評論家の潮晴男さんは言う。
【他のAV機器との連動のよさ】それよりも各社で差別化が進むのが使いやすさなどの機能面。1つの動きはハードディスク駆動装置(HDD)内蔵だ。東芝「42H3000」は300ギガ(ギガは10億)バイトのHDDを内蔵。地上デジタル放送のハイビジョン番組なら約28時間録画できる。市販のハードディスクも増設可能だ。
日立の「L37−XR01」は250ギガバイトのHDD内蔵。録画したものを別売りのカセット式HDDに移すこともできる。家族それぞれが自分用のカセットに好きな番組をためておけて便利だ。
一方、自社のHDD/DVDレコーダーとつなげば、テレビのリモコン操作1つで視聴中の番組がすぐ録画できるといった、AV機器との連動をうたう機種も多い。
【音声にも様々な工夫】地味ではあるがビクターの「はっきりステレオ」と「ゆっくりトーク」機能も便利。前者は聞き取りにくい小さな声を大きく、不快に感じる大きな音は抑える。後者は話し始めのスピードを落として聞き取りやすくする。耳が聞こえにくい高齢者がいて、ボリュームを大きくしがちな家庭などでは役に立ちそうだ。
▼フルハイビジョン 横1920×縦1080画素のBSデジタルハイビジョン放送の信号をそのまま表示するパネルを「フルハイビジョン対応」「フルHD対応」などと呼ぶ。きめ細かい画像を映し出せる。一方、「ハイビジョン」は標準的な液晶なら横1366×縦768画素に間引いて表示する。大画面ほどフルハイビジョンの利点が出やすいとされる。
▼液晶とプラズマ 液晶テレビはパネルの後ろから常にライトで照らし、その光を遮ったり通したりして映像をつくる。これに対し、プラズマテレビは画素ごとの小さな蛍光体が自ら発光して映像を表示する。液晶は速い動きがぼけやすい、プラズマは表面ガラスに光が映り込むことなどが短所とされるが、最近はそれぞれ改善が進んでいる。(参照:日本経済新聞)
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