料理をすると、半端な食材が残りやすい。長い間、家庭の台所を支えてきた「おばあちゃんの知恵」には、そのような食材をうまく一品料理にする手法が多い。手軽に活用できそうな方法を「プラス1」読者に実践、評価してもらった。
評価の対象は、読者が今回初めて試した調理法だけでなく、すでに知っていたものも含めた。それらのうち「今後も継続したい」というものを集計してランキングしたところ、上位3位まで、にんじん、じゃがいもなどの野菜類を活用した方法が占めた。
トップは、半端が出やすい根菜を使った「汁物の具に」(写真1番手前)。すでに日常的に実践している人が多く、「食物繊維が手軽に摂取できてよい」(30代女性)「冷蔵庫の中もスッキリさせられる」(30代女性)という声が上がった。
大きさをそろえて、具材を切るのがコツ。「洋風スープの場合、たまねぎを入れるとより甘みが増す」と検見崎さん。野菜を入れることで「だしがよくでておいしい」との指摘もあった。
2位は「野菜が余ったらきんぴらに」。きんぴらと言えば、ごぼう、にんじんを使うイメージが強いが、「どんな食材でもできるんだ、という発見をした」(30代女性)人も。
ただ、水分の多い野菜は火を通すと水分が出てくるので不向き。かぼちゃは崩れやすいから後の方に入れるなど「切りそろえた食材を火の通りにくい順に入れる」(検見崎さん)。「ブロッコリーや豚肉を入れる」という人もいた。
マヨネーズを使う方法が3位。余ったいも類をゆで、サラダにするという単純なものだ。「さつまいもとマヨネーズ味が予想以上になじむ」(10代女性)という。
「メーカーのマヨネーズは空気を抜いて作っているので、温かい食材と合わせても傷まない」と村上さん。「かぼちゃを入れるとさらにいい」(50代女性)との声があるように、工夫の余地が大きいのもうれしい。「熱いうちに酢をさっとまぶす」(検見崎さん)とさっぱりする。
家族の人数が少ないと、刺し身も残りやすい。味を変えて後から食べるなら加熱する手がある。今回は「刺し身が余ったらづけ焼に」が4位、「まぐろの刺し身はしょうが煮に」が7位。「弁当のおかずにもなる」(村上さん)そうだ。
づけ焼の材料は「まぐろだけでなく、さけ、かつおもいい味」(村上さん)。かたくり粉をまぶさず、しょうゆをつけて焼くだけでもいい。「生で出すよりも家族に好評だった」(30代女性)という読者もいた。
5位は「ギョーザやシューマイの皮は包み揚げに」。「母がよく作っており、幼いころから食べていた」(40代女性)など、包み揚げが定番という家庭は多い。読者からは「バナナやチョコなど甘いものを包んでもおいしい」「チーズを生ハムで巻いたものを皮でくるむ」という声もあがった。
同じく5位に「キャベツはゆでてマスタード味で」も入った。阿部さんによると「ゆでると量もたっぷり食べられる」。「単純だと思って作ったが、さっぱりしていておいしかった」(30代女性)という。マスタード味以外では「ごまドレッシングでもおいしかった」(30代男性)そうだ。
シンプルな味付け、失敗少なく
読者からは「味付けがうまく決まらない」(40代女性)という声もあった。残った食材を活用するには「種類や感触の似ている食材を組み合わせて、シンプルな味付けにすれば失敗が少ない」(検見崎さん)。
今回あげた調理法の中でも揚げ物などは手間がかかると敬遠する人も多いだろう。といって残り物を捨ててしまってはもったいない。そんなときは「形を切りそろえて思い切って普段の料理に加えてもいい」(池上さん)。いつもと違う味や食感が楽しめるかも。
【調査方法】 昔から受け継がれてきた家庭料理のコツを「おばあちゃんの知恵」と定義し、こうした知恵を使って、余った食材を手間をかけずに一品料理にする方法を探した。市販の料理本や専門家への取材をもとにまず24種類をピックアップ。次に、4月下旬から5月上旬にかけて「プラス1」読者にこれらの方法を実践してもらい、読者が「今後も継続したい」と回答した方法を集計した。回答者は392人。選択肢の選定に協力した専門家は次の通り(敬称略、50音順)。
阿部絢子(生活研究家)▽池上保子(料理研究家)▽検見崎聡美(料理研究家・管理栄養士)▽野口英世(情報サイトオールアバウトの「お手軽レシピ」ガイド)▽村上祥子(料理研究家)(参照:日本経済新聞)
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