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高温多湿な日本の夏。冷房の利いた室内は快適だが、出るべき汗が出ずに代謝が衰えるなど、冷房に依存しすぎる生活は健康によくない。そこで、暑さを乗り切るため自宅で実践している「エアコンに頼らぬ暑さ対策」を聞いたところ、生活の知恵が詰まった方法が上位に並んだ=写真はイメージ。
「扇風機で空気を循環」させることが1位だった。扇風機の風で涼む光景そのものは珍しくないが、ポイントは室内にこもった熱気を人工の風で動かす点。「窓を開けて部屋から暖まった空気を追い出すような使い方がいい」(30代男性)
ただ、扇風機の風力は意外に強いことを知っておきたい。奈良女子大学准教授の久保博子さん(生活環境学)によると、扇風機は「弱」の風力でも風速2―3メートルある。「扇風機にあたったまま寝たら翌朝、体がだるかった」(20代女性)という失敗談は多く、久保さんも「寝冷えの原因になるので、特に夜間は長時間じかに当たるのは避けた方がいい」とアドバイスする。
2位は「薄着になって過ごす」。工夫のポイントは素材やサイズだ。「通気性の良い素材のものを着ると涼しく感じられる」(20代女性)。「大きめのサイズを着て衣類と肌との密着を避ける」(30代女性)。とにかく汗をかいたらこまめに着替える人もいる。
3位の「網戸にして風通しをよくする」は風を利用する点で1位と同じ。空気が動くと涼しく感じられるため、いかに室内に風の通り道を確保するかがカギを握る。「風の向きを確かめ、南北など向かい合う窓やドアを2カ所以上開けるのがコツ」(50代女性)
4位の「保冷剤や冷たいタオルを活用」と五位の「就寝時に冷却枕や氷枕を使う」は、どちらも体温を直接下げる方法だが、前者は昼間の活動時、後者は夜間の就寝時を想定して聞いた。
保冷剤は多くの人がケーキ店などでもらったものを冷蔵庫の冷凍室で保管し、乾いたタオルなどにくるんで使っている。複数常備し、冷たいタオルをこまめに交換する人も目立った。
冷やす個所は首の回りが多く「意外なほどスーッと汗が引き、急速に涼感を得られる」(30代男性)。なぜ首の回りかというと「動脈など太い血管が皮膚の近くを流れており、血液をじかに冷やすような効果が得られるから」(救急医学が専門の昭和大学教授、有賀徹昭さん)。やや動きづらくなるが、わきの下や足の付け根などを冷やしても効果があり、熱中症対策と共通している。
6位の「窓際やベランダにすだれをつるす」と10位の「日中は雨戸、カーテンを閉める」は西日など直射日光を遮り、室内の温度上昇を防ぐのに効果的だ。
7位の「早起きして用事を済ます」と8位の「庭やベランダに打ち水」は昔ながらの暮らしの知恵。打ち水は日中を避け「風呂の残り湯を使う」(20代女性)のが望ましい。9位の「こまめにシャワーを浴びる」は心身ともに不快感を解消できる。「初めは熱いお湯を使い、最後は水で締める」(40代女性)という声もあった。
ブルーや紺色で部屋涼しげ
他人とひと味違うユニークな暑さ対策を実践している人は多い。一部を紹介すると――。沖縄県の30代女性は「夜間、部屋の照明をブルーにして深海にいるような気分に浸る」という。その効き目やいかに。「気分的に効果が大きかったが、友人に笑われた」
視覚に訴える方法は効果があるようだ。和歌山県の50代女性は「玄関や部屋の入り口に濃紺、白いレースの長のれんをかけて涼しさを演出する」とコメント。毎年盆に帰省する娘の家族のため、薄い青色の布団カバーを準備するという。
奈良女子大の久保さんが実践しているのは帰宅後、自宅のベランダに扇風機を持ち出し、室外から網戸越しに風を強制的に送り込む方法だ。こうすると風がないときでも、室内の蒸した空気を強制的に入れ替えることができる。「これが体感的にもけっこう涼しいのでおすすめです」
【調査方法】 夏に家庭で実践している「エアコンに頼らぬ暑さ対策」について7月中旬、調査会社マクロミルを通じてインターネットで聞いた。1971年から2000年まで過去30年間の気象庁のデータをもとに、8月の平均気温が高かった政令指定都市や県庁所在地を調べ、これらの都市がある大阪、鹿児島、沖縄、兵庫、岡山、広島、京都、和歌山、熊本、福岡、長崎の上位11府県に住んでいる20歳以上の男女に尋ねた。回答者は1044人。
回答者に対しては、「プラス1」読者モニターへの事前調査の結果を参考に作成した、28の選択肢(「その他」を含む)を提示。それらのなかから、最大で3つまで選んでもらった。(参照:日本経済新聞)
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