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焼酎をロックで楽しむ人が増えている。洗練された香りやこだわりの味わいの芋焼酎など、本格焼酎が広く浸透してきたからだ。そこで、酒に詳しく消費者に最も近い存在である酒販店の店主たちにおすすめの「ロックがおいしい焼酎」を聞いた。
1位は「富乃宝山」。西酒造が1995年に発売した。濃厚で独特の香りがする芋焼酎のイメージを一変させた商品として知られる。
薩摩半島南部にある契約農家が栽培したサツマイモに含まれるかんきつ系の香りを最大限に生かし、「上品な味わいで心地よい口当たり」(片山商事)が特徴だ。「薩摩宝山」や「吉兆宝山」など、他にも宝山ブランドの商品は多い。
2位は「中々」。宮崎の黒木本店が87年に発売した麦焼酎だ。自家農園で栽培した大麦などを原料に使い、同社の人気商品「百年の孤独」の原酒の一つ。味わいは麦焼酎ならではの甘さに加え、キレもある。「奇をてらわずにスタンダードでありながら迫力あるうまみを感じる。飲み飽きない味」(酒・高蔵)といった声があった。
「六代目百合」が3位。鹿児島の西方約40キロに浮かぶ甑島列島にある蔵元の塩田酒造が2001年に発売した芋焼酎だ。「島の風土を体いっぱいに感じられる焼酎」(坂口屋)で、「芋のうまみ、甘み、ふくらみを持ち合わせている」(登酒店)という。
上位10位に入った焼酎を原料別に見ると、芋焼酎は富乃宝山や六代目百合のほか、6位の「三岳」と7位の「心水」の4銘柄と、最も多かった。
富乃宝山や六代目百合のほか、6位の三岳は世界自然遺産に登録され、環境省の名水百選にも選ばれた屋久島の名水を使用しており「柔らかい口当たりと懐かしく思える香りがいい」(酒のひろせ)。心水は原酒のままタンクの中で1年半近く寝かせることで、まろやかだがしっかりとした味わいになり、ロックにしても氷負けしないという。
次いで多いのが麦焼酎。中々のほか、4位の「無一物」と7位の「おこげ」の3銘柄が入った。
無一物は長崎県の壱岐で生産している。スペインから輸入したシェリー酒の空き樽(たる)を利用して5年以上熟成させ、麦の風味とまろやかな味わいを感じられるよう仕上げている。おこげは06年に発売された商品で、原料に大麦と裸麦を使用。香ばしい麦の風味と味わいが受けているようだ。
5位の「吟香露」と10位の「七田大吟醸酒粕焼酎」は酒かす焼酎。ともにすっきりとした柔らかな味わいがする。7位の「れんと」はサトウキビを原料とする黒糖焼酎で、「芋焼酎派の人にもおいしいと評価されている」(マインマート)という。
秋の夜長、じっくり自分の好みに合った焼酎を探しながら味わうのもまた一興だろう。生産量などの関係で、入手できる酒販店や飲食店が限られている銘柄もある。
つまみ、濃い味は避ける
ロックで飲む酒のつまみにはどんな味付けの料理が合うのだろうか。東京・銀座にあるバー「ロックフィッシュ」の店主、間口一就さんは「酒を引き立てるには濃い味を避けるのがポイント。食べていて飽きが来ないよう、シンプルではっきりした味がいい」という。
家庭でも簡単にできるメニューの一例として、カツオの酒盗(内蔵の塩辛)入りオムレツ、ブルーチーズとジャムを使ったトーストなどをおすすめする。
オムレツ(1人分)は小さじ2杯分の酒盗を卵1個で包んで焼く。トースト(同)は薄切りの食パンにブルーチーズ約10グラムを塗って焼き、好みのジャムを乗せる。味付けは食材にすでに使っている塩分だけで、余計な調味料は加えない。
ロックで酒を飲むのが好きな人は、相対的につまみを食べる分量が少ない。間口さんは「健康のためにも、バランスよくつまみを食べながら酒を楽しんでほしい」とアドバイスする。
【調査方法】
酒について詳しい全国の酒販店経営者に「ロックで飲むのがおいしい」と思う焼酎のうち、おすすめの銘柄を3つ、順位をつけて挙げてもらった。2006年8月から07年7月までの1年間に店主自身が飲んだことのある銘柄のなかから選んでもらい、順位に応じて得点を与え、その合計でランキングした。
酒文化研究所(東京・千代田)の協力を得て、酒専門の量販店や同研究所の会員企業である酒販店など計730社を対象にアンケートを実施し、推奨理由なども聞いた。調査時期は7月下旬から8月末まで。有効回答は107。(参照:日本経済新聞)
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